口でよく噛み砕いた食べ物は、食道をとおって胃へ運ばれます。
(ちなみに食道はがらんどうではなく、きゅっとしまっていて、食道の筋肉が収縮しながらすこしずつ食べ物を動かすので(蠕動運動といいます)、約25cmの道のりに30〜60秒も時間がかかってしまいます。)

胃の仕事は、食べたものから栄養分を吸収しやすいカタチにこまかくどろどろにすることです。

つよい酸性の胃液をペットボトル一本分、500mlも分泌して、ぐにょぐにょ蠕動運動をがんばって、炭水化物を糖に、タンパク質をアミノ酸に分解します。



ちなみに「消化」とは、つぎに腸で「吸収」されやすい形にすることです。
ここでしっかり「消化」できないと、腸でせっかくの栄養分を吸収できないので体を形成する細胞の材料も不足してしまいます。


空腹時、胃の壁の厚さは5mmくらい。100mlくらいの容積しかありません。
が!

胃はゴム風船のようにふくらんで、なんと1.5〜2.5リットルの食べ物受け入れOKなのです!
このとき、胃壁はうす〜くのばされています。





胃は、「普通の生活」をしている人でも、パンパンにふくらんで、たっぷり胃液を分泌にして、まぜこんでどろどろにして、送り出して・・・ということをたった一人で(?)1日に最低3回もやっています。

おやつや夜食など、間食があればそのときも。

生まれてから死ぬまでに、人間は30トンの食べ物をたべるといわれているので、胃は30トンもこうして処理してくれているんだなぁ〜

食事をするときに、こうして蠕動運動をしなければならない胃のことを想像すると、しっかり噛もうという気持ちが芽生えてきます。




胃液

胃壁にあるくぼみ(1平方cmに100個)から分泌される強い酸性の黄色い胃液は、胃壁の細胞で生成されます。
その量は、1回の食事でなんと500ml!

胃液にふくまれる「塩酸」は、理科の実験では鉄やアルミニウムなどの金属までとかしてしまうほどの強力です。
摂食障害で嘔吐をくりかえすと、歯が胃酸でとけてしまうこともあります。

胃液にふくまれる消化酵素の代表は「ペプシン」
タンパク質を消化します。


胃がはたらきやすい環境

そんなタフさが要求されるのに、ストレスの影響をもろにうけてしまうようなとてもデリケートな臓器でもあります。
仕事がいそがしいと食欲がなくなったり、悩み事をかかえて胃がキリキリいたくなったり・・・
ストレスがあると、胃への血流はぴったりストップ。
胃の調子がすぐれなくなるのはそのせいです。

その感じで苦手なのも冷たい食べ物や飲み物。
毛細血管がきゅっとひきしまって血流量がダウン。

つまり、胃が活動しやすいのは血の巡りがよいとき。
血行がよくなると、胃をぽかぽかあたたかくして、機嫌よく蠕動運動も胃液の分泌もできるのです。